お湯が沸いたらひっくり返して〜ナポレターナ

イタリアの生活に欠かせないエスプレッソ。
家庭でエスプレッソを淹れるためのマキネッタも、一家に一台(?)。
いろいろなデザインのものがありますが、最もポピュラーな形は、これ(→)
ではないかと思います。
イタリア映画の中にも、コーヒーを淹れる光景が描かれていることがありますが、『特別な一日』のそれは、上のマキネッタとはちょっと違うのです。
逃げ出したカナリヤがきっかけで知り合ったアントニエッタ(ローレン)とガブリエレ(マストロヤンニ)。アパートに来たガブリエレに、アントニエッタはコーヒーを淹れることになります。
このナポレターナと呼ばれるマキネッタを火にかけ、アントニエッタ
はお湯が沸いたことを確かめるようにナポレターナの上に手を伸ばします。そして、お湯が沸くと、このナポレターナを逆さまにするのです。
逆さまにするとお湯の入った部分が上側になり、お湯がフィルターの上から落ちることでコーヒーが抽出される仕組みです。
『鉄道員』でも、ラストの直前、夫婦で会話をしながらいつものように、ナポレターナでコーヒーを淹れるシーンがあります。水を入れて、コーヒー粉を入れて、火にかけてという一連の動作は、あまりに日常的で、その時起こっていた"非日常"に思い及びません。
コーヒーを淹れる風景は、日常生活を象徴するものと言えるかもしれませんね。
ナポレターナが登場する作品
■価格:\12,600
|