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映画で学ぶイタリア語

「イタリア語学習にお勧めの映画はありませんか?」という質問をときどきいただきます。
楽しんで、イタリア語も身につけば一石二鳥というもの。でも、実はこれ、簡単にはいかないのです。

生教材を使用することの難しさ

外国語学教育の現場では、「生教材」とよばれるものがあります。これは、教科書や問題集などのように、学習者を想定して作成されたものではない、実社会にあるメディアを教材として使用することをいいます。例えば、新聞や雑誌、TV・ラジオ番組などがそうです。映画も「生教材」のひとつです。これらは、周到に用意された教科書類とは違い、使用する際に気をつけなければいけない理由があります。

  1. 文法的に間違っている表現が含まれている可能性があること
    特に編集されることのない、生放送番組には、言い間違い、言いよどみなどがそのまま含まれています。 また、推敲されたはずの印刷物でも、間違いがないとは言い切れません。”ことば遊び”的に、意図的に間違った表現が使われている場合もあります。
  2. 限られた場面でしか使われない表現が含まれている可能性があること
    例えば、俗語的表現、方言、男ことば・女ことば、話しことば・書きことばのどちらかだけにしか使わない表現、時代遅れの流行語、限られた業界・コミュニティーでだけ通用する表現、などがそれにあたります。
  3. 音声メディアをヒアリング教材として使用する場合、スクリプトの入手できるものが限られていること
    聞き取りの教材として使用する場合、その聞き取った内容が正しいのか確認するには、そのスクリプトを入手する必要があります。イタリア語ネイティヴや上級者が書き起こしてくれる場合はいいのですが、そうでないとスクリプトの入手自体が困難になります。幸い、映画はシナリオ本やクローズド・キャプション/イタリア語字幕入りソフトが売られている場合があるので、それらを購入すれば正否の確認は容易になります。
     

このような理由から、生素材である映画を、手離しで学習用教材としてお勧めすることはできないのです。
 

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では、イタリア映画は教材になりえないのか? イタリア映画を教材にするには。

イタリア語上級者の方なら、上の3つの問題も自分で解決できるでしょう。
でも、初級者の場合はまず、上の3つの問題を解決するために、イタリア語ネイティヴや上級者に助けてもらう必要があります。一番よいのは、イタリア語学校で映画を教材としたコースを受講することですが、質問に答えてくれたり、不自然ではない表現に直してくれたり(映画のセリフはドラマチックすぎる場合もありますから)するイタリア語の先生、ネイティブ、上級者がいれば十分だと思います。
独習者の場合は、そういった手助けを期待できないので少したいへんになりますが、映画が教材としてまったく使えないというわけでもありません。独習者を助けてくれるサイトやメールマガジンがちゃんとあるのです。

映画の中のイタリア語構文
 (エンドーレーコのイタリア語マニアの中の1コーナー)

このサイトでは、映画のセリフと文法的な用法を結びつけてわかりやすく解説してあります。構文や決まった表現を覚えるのに、映画のセリフを用例として勉強したら、たくさん覚えられそうでしょ?もちろん、ビデオでシチュエーションの確認や、発音、イントネーションの練習もしましょう。「無防備都市」「道」「ニュー・シネマ・パラダイス」のセリフが収められています。

メールマガジン「らくちんイタリア語会話

こちらは、題材がイタリア映画ばかりというわけではありませんが、イタリア映画にスポットを当てたものもあります。定期的に発行されるメールマガジンですので、ペースメーカーにいいですよ。「ライフ・イズ・ビューティフル」「ニュー・シネマ・パラダイス」「イル・ポスティーノ」のセリフがバックナンバーに収められています。

メールマガジン「突撃!★中学伊単語 (木曜日が足りない男)」

こちらは、単語力増強のためのメールマガジン。「構文」を覚えたら、使える単語も増やさなければ、自由におしゃべりできませんからね。中学で習う英単語程度の伊単語を基準にしていますから、基本的な単語を網羅するのに便利。 同じサイト内の「タイピング★イタリアーノ」も初級者のウォーミング・アップにおすすめ。

文化の理解とモチベーションの維持に

イタリア語の表現を学ぶ意外にもイタリア映画は、間接的にではありますが、イタリア語学習に役立ちます。

イタリア事情を知る

イタリアの生活や歴史を映画を通して知ることができます。

モチベーションを維持する

語学学習で大事なのがモチベーション。特に、必要に迫られていない学習者の場合は、学習意欲を失うとそれっきりになってしまうことも。ときどき大好きな作品を観て、「字幕なしでも理解できるようになりたい」「こんなふうに話したい」と思うことが意外に大切ではないでしょうか。
 

体験談

確かに映画で勉強になるかどうかは、特にイタリア映画については、私もよくわかりません。というのも、私もなるだけイタリア映画をみるようにしていました。でも、理解できないままってのも多かったのは事実。先日マレーナのイタリア語版(イタリア語字幕つき)のビデオを入手しまして 、昨日みました。

私はDVDってもってないのではじめての字幕ありだったのですが、なんと、話している言葉と字幕は違うんですね。特にイタリアって方言が多いから?と思いましたけど。でも、映画では「VATTENE!」なのに、字幕では「Vai via!」でした。
つまり、イタリアは地方の方言は全くわからないのが現状でイタリア映画をみるなら標準語ばかりの映画をさがさないと、よくわからない結果になるんだと思います。  (sabatiniさん)

内容を知っている"Le Fate Ignoranti"をイタリア語字幕で見てみました。

簡潔に省略して書かれているのは勿論ですが、話し言葉が書き言葉に変わっていたり、より正しいイタリア語になって表示されているのが面白かったですね。 (ぽんずさん)

 

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