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復活 Resurrezione

<ストーリー>

青年貴族ネフリュードフは、陪審員としての務めのため、若い売春婦の裁判に呼ばれていた。カチューシャ・マースロワというその売春婦は、強盗 の容疑と客に毒を盛ったという容疑をかけられていた。カチューシャが法廷に入ってくるとすぐに、ネフリュードフは彼女が叔母の家にいたメイドだと気づいた。彼女こそ、自分の過去の熱烈な情事の相手であり、モスクワでの輝かしい軍人としてのキャリアのために捨てた女性であった。陪審員は、カチューシャの肩を持つような判決を下した。彼女が、名を明かせない貴族階級の者に、誘惑され、妊娠させられ、最後には捨てられたということを知ったからである。しかし、法的に正式な判決は、カチューシャに数年間シベリアでの重労働を課すというものであった。ネフリュードフは彼の権力の限りをつくしてカチューシャを救おうとした。そのためには権威も快適 な暮らしも手放そうとした。自分との結婚さえも申し出たのだが、断られてしまった。ネフリュードフは、もう何もしてやれることがないと悟 り、カチューシャと同じ列車に乗りシベリアへと発った。カチューシャ はネフリュードフ を強く愛していたけれど、けして結婚はできないと知っていた。ふたりの階級の差は越えられるものではなく、カチューシャは 同じ受刑者であるシモンソンとの結婚を選んだ。 シモンソンと結婚することでしか、ネフリュードフを解放してやれないからである。カチューシャを救うという約束から ネフリュードフを解放するために。

(参考 − TAMTAM


  • 「1900年」と「娼婦ベロニカ」と「太陽は夜も輝く」のエッセンスを詰め込んだような作品でした。元々はTV用に製作されたものだそうで、インタビューによると、その理由は「TVならカットされずに作ることができるから」だそうです。

    美しい映像と、丁寧な描写と、3時間の長さを感じさせないストーリー展開で、しっかりと見せる作品ではあります。でも、わざわざタヴィアーニがやらなくても、という気持ちも否定できません。

    身を引くことによる愛情表現は、美徳のように写るかもしれないけれど、考えようによっては、身勝手な自己満足。相手にとっては、自分の罪を許してもらえず、罰を与えられたようなものではないかしら。

    当時のいい加減な裁判、軽視される女性や下層階級の者たち、そういった社会批判が根幹にはあるのでしょうが、そのあたりは強く訴えかけてはきません。ネフリュードフの行為も、やはり自己満足気味。

    ラストの列車から外を眺めるカチューシャの愁いを帯びた表情が印象的でした。


ロケ地 /  


製作 / 2001 イタリア
監督 / 
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ

キャスト / カチューシャ … ステファニア・ロッカ
ネフリュードフ … ティモシー・ピーチ

原作 / レフ・ニコラーエヴィチ・トルストイ 『復活 上 』『復活 下』新潮文庫 木村 浩【訳】
媒体 / 
DVD

Official site

 

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愛の勝利 / The triumph of love

<ストーリー>

王女・レオニードは、スパルタの王位に就いていた。しかしそれは、レオニードの父がアジスの父から奪ったものであった。レオニードは、公正な考えから、王位と王冠を本来受け継ぐはずであった者・アジスへ返すことを決意した。 アジスが湖で泳ぐ姿を見たレオニードは彼に恋してしまう。そして彼の心を射止めようとする。アジスは哲学者・エルモクラートの家でひっそりと育てられていた。エルモクラートと彼の妹レオンティーヌは彼にこう教えた。イルミニズム−−明知を誇ること−− の原理によれば、理性がもっとも重要な特性とされており、感情というものは信用できないものである。イルミニズムの信奉者は、不可解で説明のつかないものは信用しないものだと。そしてふたりは、アジスがレオニードを憎むようにしむけたのだ。

レオニードとその忠実な部下、コリーヌは若い男性を装い、 フォチニオとエルミダスとして、エルモクラートの屋敷へ教えを乞うために出向いた。ふたりの部下、アルルカンとディマスの助けで、フォチニオたちはすばらしい演技をした。その利口で官能的な演技により、アジスはイルミニズムだけが人生のみちではないことを知った。最後には、愛が勝ったのだ。原作はマリヴォーの作品。

(参考 − TAMTAM

駆け抜ける馬車の中で、ふたりの女性は男性に変装するためにドレスを剥ぎ取った。ふたりは、王女レオニードと侍女のコリーヌだった。王女は父から王位を受け継いだ。それは、正当な王位継承者、アジス王子から奪ったものである。そして王女はアジスに恋をしていた。彼女の計画は、アジスを振り向かせ、彼と結婚して、由緒正しい王位継承者であるアジスに王冠を返すことである。しかし、哲学者エルモクラートと妹のレオンティーヌの庇護の元、アジスは彼女を憎むようにと育てられていた。理性の原理に従うことが大切で、愛情など不要なものと教えられていた。彼の心を得るため、 王女は男になったり、女になったりしながらエルモクラートとレオンティーヌを大胆に誘惑しなければならなかった。彼女にとって、愛とはドキドキするような勝負なのだ。

(クレア・ペプロー談)...18世紀は理性の時代であると同時に、それはまた、感受性の時代でもあった。[...]「The Triumph of Love」ではヒロインが恋に落ちる。そして、獲物を手に入れるため キューピッドが弓矢を使ったように、彼女は相手を誘惑する魅力を武器としたのだ。彼女の計画は新しい人格を作り出すこと、男でもあり女でもあるという人格で演技をすることだった。私は、舞台でも映画でも通用する演技ができないかと思い、それを試みてみた。

(参考 − ヴェネツィア映画祭オフィシャルサイト


ロケ地 /  不明(ルッカ?)


製作 / 2000 イタリア
監督 / クレア・ペプロー 製作・脚本/
ベルナルド・ベルトルッチ

キャスト / レオニード … ミラ・ソルヴィーノ
アジス … ジェイ・ローダン
コリーヌ … レイチェル・スティアリング
原作 / マリヴォー 『新マリヴォー戯曲集〈1〉』 大修館書店
      井村 順一・佐藤 実枝・鈴木 康司【訳】
媒体 / 
DVD
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[不公平な競争*] / Concorrenza sleale

<ストーリー>

例えば、同じ街に住んで、同じ仕事に就き、 階級も同じで、 妻と子どもふたりに伯父や伯母、祖父母、と同じような家族構成だったとしても、 それは、ふたりの人間が平等だという意味にはならない。つまり、ふたりの人間は同じ権利を持っているわけではないし、子どもたちが同じ学校に通えるわけでもないということだ。仕事をすることは許可されず、店を開けることも禁じられ、不寛容と拒絶に繰り返し直面する。そして、それが生まれや人種の違いのせいで、自分の扱われ方が違うのだと気づいてしまう。かつて、これは、ユダヤ人と黒人に対して行われたことである。今日でも、移民や第三世界出身の人に対して行われていることなのである。

この映画「Concorrenza sleale-Unfair Competition-」は、1938年のイタリアでほぼ一晩でできあがった、ユダヤ人を対象にした人種法についての作品である。突然、まったく新しい不合理なルールができた。陽気で小さな私たちの国でしばしば見られるような、不合理で、おかしいほどにおぞましいルールが。この話は、ふたりの小売店店主の話である。片方の店主はユダヤ人で、ふたりの仕立て屋は隣り合わせに建っていた。最初は、それぞれがお互いのことを仕事上のライバルだと思っていたが、恐ろしい人種法が実際のものとなると、かけがえのない友情と新たな結束が、逆境のなかで生まれるのだった。

「Concorrenza sleale」は苦くも甘いコメディである。われわれの歴史の、恥ずべき過去についての。

(参考 − TAMTAM

→ Official site (イタリア語)


◎ 商売敵のユダヤ人一家との間に芽生えた友情、といったストーリーそのものよりも、その頃(1930年代)のローマの町や生活描写が細密で、それを追うのが面白くて、画面の隅々まで目をやってしまうので、気が抜けませんでした。なんと、ガラス瓶のラムネをビー玉の音をさせて飲んでいる。これには嬉しくなりました。昔はイタリアにもラムネがあったんですね。

舞台は2人の主人公の店とアパートのある通りという限定された空間で終始していました。ただ、後味はあまり良くなかった。彼ら(ユダヤ系イタリア人)を助けることは何もできなかった、という無力感が、後味を苦くしているのですが、実はその苦さそのものが、スコラがイタリア人に思い出させたい過去なのだ、と思いました。 (Stellinaさん)


ロケ地 /  ローマ?


製作 / 2000 イタリア
監督 /
エットレ・スコーラ

キャスト / レオーネ(ユダヤ人) … セルジョ・カステリット
ウンベルト … ディエゴ・アバタントゥオーノ
アンジェロ(ウンベルトの兄弟) … ジェラール・ドパルデュー

日本公開 / 未定
         * 邦題は便宜上つけたもので原題の和訳です。

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/ Il parole di mio padre

 


◎ フランチェスカ・コメンチーニの新作。唯一の肉親だった父親を亡くした青年が、父の友人の許で働くようになり、その家の娘達(四姉妹の長女、次に次女)と愛情関係を持ち...、という粗筋です。死んだ父と息子の関係、四姉妹の仲の葛藤というのが2大テーマのようです。キアラ・マストロヤンニ(お父さんにそっくり)が長女役で出演。演技はさほどではありませんが存在感はありました。つまらないというわけではないが、真面目な映画。(ジュリアさん)


ロケ地 /


製作 /
監督 / フランチェスカ・コメンチーニ

キャスト /  

日本公開 / 未定

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/ L'ultimo bacio

 


◎ 3月にイタリアで "L'ULTIMO BACIO"を見たのですが、イタリア女性の恐ろしさ?というか、気性の激しさを改めて感じてしまいました。(イタリアの女性の方ゴメンナサイ)イタリア語だったので(あたりまえ)正確には理解できなかったのですが、主人公の女性が婚約者の浮気を知って、泣くわ、大声で怒鳴り散らすわ、包丁を持ち出して暴れるわで、「そこまでせんでも・・・」と思わずにはいられませんでした。 まあ、イタリアの女性が、みんなそうではないと思いますが、だいたいそんなもんですよね・・・?

で、結局は男性が謝って元の鞘に収まって映画は終わるのですが、「長くは続かないだろう」と私は冷ややかに受けとめました。見終わった後「・・・・・・???」ってカンジで、この映画は何を訴えたかったのか、よくわかりませんでした。-_-;;  (マンミーナさん)

◎ ちょっとイタリアの映画系サイトを覗いた限りでは、7,8人の登場人物の話がそれぞれ絡み合うようなストーリーで、テーマはピーターパン・シンドロームのようですね。といっても設定を見ると4,50代の人もその7,8人の中にいるようですが・・・・。
それよりそれより、びっくりしたのはこの作品、今年(2001)のダヴィデ・ディ・ドナテッロ賞の監督賞の作品ではないですか。ということはある程度評価されているということでしょう。もしかしたら数年後に日本に入ってくるかしら??? (きみち)

◎ 大人になれない若者達の人生。幸せな結婚をして子供も産まれるのになんだか人生が詰まらない夫。妻との子育て(新生児)に疲れた夫。恋人にふられ病気の父親の家業(キリスト教関係の道具を売る店)を継ぐのも気がすすまない若者。一方、その親の世代として夫の興味を惹くことが出来ず悩む妻(ステファニア・サンドレッリ)。等々。これらの人々の生活をコメディタッチで描いています。こちらではヒットしたようですが、ストーリー、テーマ、結末いずれもさほど気がきいているとも思えず、現代イタリア若者事情を知ったというのが唯一の収穫でした。(ジュリアさん)

◎ S・アッコルシは、昨シーズン(2000年9月〜2001年6月)に高い評価を得た2作品(『L'Ultimo Bacio』、『Le Fate Ignoranti』)にも出演していて、当たり年でした。私は『Le Fate Ignoranti』を見たのですが、ホモセクシャルの役で、魅力的(と書くと語弊があるかな。好演。)でしたよ。(Stellina@Firenzeさん)

◎ Stefano Accorsiは、実際の彼女(Giovanna Mezzogiorno)と夫婦役をこなし、長年付き合っているカップルのマンネリ化を「台本としてのストーリだけではなく、現実に同世代の男女が感じる結婚への温度差」と認めて、実生活で乗り越えてきた「Crisi(危機)」を投影しながらの熱演だったと思います。 (ギアッチョ ペルファヴォーレさん)


ロケ地 /  


製作 /
監督 /  ガブリエレ・ムチーノ

キャスト /  

→ Official site

日本公開 / 未定

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/ Almost blue

 


◎ 2001年カンヌの国際批評家週間で上映された作品。ストーリーはスリラーで、特別な能力を持つ少年が警察と協力しシリアル・キラーを探し出すという内容。(きみち)


ロケ地 /  ボローニャ


製作 /
監督 / アレックス・インファチェリ

キャスト /  

→ Official site

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の新人監督賞受賞

日本公開 / 未定

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/ Chiedimi se sono felice

 


◎ アルド・ジョヴァンニ・ジャコモという3人組みのCOMICI(お笑い役者)の最新作。すでに2本映画を製作していて、これは3本目。そしてまたまた大当たりで、昨シーズン(2000年9月〜2001年6月)の興行成績ナンバーワンでした。

この3人の掛け合いが絶妙で、爆笑の連続。前2作より、更にパワフルで、しかもホノボノ。舞台はミラノと、最後ちょっとシチリア。(アルドがシチリア出身。シチリア訛りを茶化されたりする)元気の出る映画ナンバーワンでした。彼ら、日本にも上陸するといいな。(Stellina@Firenzeさん)


ロケ地 /  ミラノ、シチリア


製作 /
監督 /

キャスト /  

日本公開 / 未定

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