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イタリア映画祭 2001

テーマ: イタリア旅行

上映作品

笑う男  Tu ridi
ぼくらの世代La mia generazione
ペッピーノの百歩  / I cento passi(2004年一般公開)
目をつむってCon gli occhi chiusi
聖アントニオと盗人たちLa lingua del santo
死ぬほどターノTano da morire (2000年「花嫁はマフィアの妹」のタイトルでシネフィル・イマジカにて放映)
血の記憶Sangue vivo (2001年一般公開 )
戦争のリハーサルTeatro di guerra
乳母La balia
アクロバットの女たちLe acrobate
ラジオフレッチャRadiofreccia

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上映作品

Attenzione!  以下の作品解説にはいわゆるネタバレが含まれている場合があります。

笑う男/ Tu ridi

<ストーリー>

ルイジ・ピランデルロの原作を翻案した2部構成の作品。

[フェリーチェ]30年代のローマ。元オペラ歌手のフェリーチェは、寝ている時に大声で笑うようになった。彼自身は夢すら覚えていないので、なぜ笑うのかがわからない。

[誘拐者たち]今日のシチリア。12歳の少年が誘拐され、バッラーロ山の奇妙な人気(ひとけ)のないホテルに連れてこられた。 100年前、その同じ山で 誘拐された男がいた。その男は誘拐した犯人たちと奇妙な信頼関係を築いていく。


  • フェリーチェはなんとも”間が悪い”男。何かをしようとすれば邪魔が入りうまくいかない。その「小さな不幸」の積み重ねが繰り返されるところがおもしろくもあり、哀れでもある。フェリーチェ役のアルバネーゼが好演。サンタンジェロ城を過ぎる時に「さようなら、トスカ」などというセリフも。(サンタンジェロ城はオペラ「トスカ」の舞台となった場所)

    そして、現代の誘拐された少年を見張る男と少年の関係と100年前に誘拐された男と誘拐犯との関係。特に、100年前の誘拐犯たちが少しずつ”被害者”の話を聞くようになり、教えを乞い、尊敬し、ついには家族ぐるみのつきあいへと変化していくさまがおもしろい。どちらの誘拐も、一方の死によってその関係は終わるのだが、それでも100年前に誘拐された男は、けして不幸ではなかったのではないかと思わせるストーリーだ。

    二つの話のつながりが薄いので、単に2本の作品を並べただけになってしまったようなのが残念。強いてつながりを挙げるとすれば、「世の中は何事も予定通りには進まない 」。でも予定通りでないことは不幸なのか?
    (きみち)
     
  • やはりタヴィアーニ監督は作家性の強い監督で、今回の映画祭の中では古いタイプの作品だと思います。

    「カオス・シチリア物語」「フィオリーレ 月花の伝説」との関連が色濃くでていました。山がでれば昔の景色を、俯瞰で撮られた左右対称のレンガ模様をみれば、過去と現在の重ね合わせの予感を、サッカーを見れば犯罪を、石を見れば殺人を連想させ、実際その通りに話が運んでいくのは、この監督の伏線の上手さか、マニア泣かせなのか-^^;;

    「フェリーチェ」はなんと言ってもアルバネーゼのうまさが光ります。寝ながら笑う技から始まって、夢の正体に気づいた時の自分への失望感、自己嫌悪を見事な表現をしています。
    H-Snowさん

ロケ地 / ローマ、シチリア


製作 / 1998 イタリア
監督 / 
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ

キャスト / フェリーチェ … アントニオ・アルバネーゼ

バラッロ … トゥーリ・フェッロ

原作 / 「Tu ridi」ルイジ・ピランデルロ

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ぼくらの世代 / La mia generazione

<ストーリー>

80年代、シチリア、ボローニャ、ミラノ。テロリストとしてシチリアの刑務所に入れられていたブラッチョは、恋人・ジュリアのいるミラノへ移ることを希望していた。希望が認められた彼を護送することになった大尉は、話のわかる人物でブラッチョは少しずつ彼を信頼していく。一方、ミラノでは連絡を受けたジュリアが面会手続きのために、奔走していた。


  • 大尉とブラッチョ。もうひとりの囚人。売春婦。ジュリアとベッドの男。バールで会うかつての仲間。信頼できるのは誰なのか、自分は誰から信頼されているのか。護送されるブラッチョの心の揺れ動きが丁寧に描かれているが、重いストーリー。結局、ブラッチョにとってその相手はジュリアだけだった。その強い結びつきが彼の支えではあるが、寂しさは否めない。ブラッチョが出した結論は彼らしいもの。だが、つらい選択であり、見ているほうはつらさが残る。

    ストーリーとは関係ないが、気になったことがふたつ。ひとつはジュリアの家のテーブルに置かれたポット。どう見ても、和風の(しかも大きい)急須だった。そして、ジュリアがかつての仲間と会ったバールにいた東洋人。犬を抱いたその女性はヒステリックに「いつも私は待っているばかりじゃない!」と、日本語で不満を連れにぶつけていた。
    (きみち)
     
  • 2人はお互いに70年代の忘れ物みたいな人たち。この映画を観ていて思い浮かべたのが、やはり70年代に観ることができたフィルム・ノアールの世界。警察と犯罪者間の男同士の友情があると思えば、裏切りがある。(大抵、裏切るのは警察側)

    男は怒りと哀しみを胸の内に秘めた孤独の男。男泣き映画劇場ですな。女性監督であるのがちょっと意外でした。

    途中、「ブレード・ランナー」のポスターが出てきます。意味を考えたのですが、単にワーナー作品(製作はワーナー・イタリア)で84年公開作だからというのが、素直なところでしょうか。でも、ルトガー・ハウアーのレプリカントとの重ね合わせと取れなくもないですね。(
    H-Snowさん
     
  • 私も日本趣味とエキストラにしては目立ちすぎの日本人に目がいってしまいました。見終わって、重い〜気持ちになってしまった。一般の犯罪者の彼がいい味出していた。写真を見せあうシーンは好きです。それをのぞき見しているだけのボノリくんも  (niraさん

ロケ地 / シチリア、ボローニャ、ミラノ


製作 / 1996 イタリア
監督 / ヴィルマ・ラバーテ  (
エットレ・スコーラらの助監督を務めた女性監督)

キャスト / ブラッチョ … クラウディオ・アメンドラ
ジュリア …フランチェスカ・ネーリ
大尉 …シルヴィオ・オルランド

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目をつむって / Con gli occhi chiusi

<ストーリー>

20世紀初頭、シエナ。地主の息子・ピエトロとその家の使用人であるギゾラ。幼なじみであるふたりは、互いのことを思っていた。成長し、再開したときギゾラはある男の愛人として暮らしていた。ピエトロはギゾラの過去や評判には構わず結婚を申し込む。少女時代のギゾラを「かぼちゃ大王」のアレッシア・フガルディが演じているほか、セルジョ・カステリット、ラウラ・ベッティ、ステファニア・サンドレッリが出演している。


  • 運命を受け入れていくことしかできない少女、ギゾラ。ギゾラに盲目的に恋するピエトロ。どちらの生き方も悲しく、またすれ違ってしまうふたりの恋も悲しい。身分の違いというだけでは超えられないなにかがふたりの間には存在していたように。ストーリーも人物描写も丁寧なのだが、ラストは妙にあっけない。現実を見たくない時は「目をつむる」というギゾラ。だが、彼女の本当の姿を知ろうとせず、目の前に現実を突きつけられるとうろたえしまうピエトロ。「目をつむって」いたのは彼のほうではないか?  (きみち)
     
  • 私もラストに???が残りました。途中しつこいくらいに、ピエトロの視力が悪いような描写が出てきていたので、なにか伏線かと思っていたけどむむむむ〜。描かれている世界と映像はとても綺麗だったので、ちょっと残念でした。(niraさん

ロケ地 / シエナ


製作 / 1994 イタリア
監督 /
フランチェスカ・アルキブジ

キャスト / ギゾラ …デボラ・カプリオリオ
ギゾラ(少女時代) …アレッシア・フガルディ
ピエトロ …ファビオ・モデスティ
ピエトロ(少年時代) …ガブリエーレ・ボッチャレッリ
アンナ(ピエトロの母) …ステファニア・サンドレッリ
アルベルト …セルジョ・カステリット
ベアトリーチェ … ラウラ・ベッティ

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聖アントニオと盗人たち / La lingua del santo

<ストーリー>

今日のパドヴァ。うだつのあがらないアントニオとウイリーは、小さな窃盗を繰り返して生活していた。ところが偶然から、街の守護聖人・聖アントニオの聖遺物である”舌”を盗んで街中から追われることになる。教会でさえも聖遺物の買い戻しに応じない中、パドヴァの富豪が名乗りを上げる。はたして、ふたりは首尾よく大金を手にすることができるのか。


  • うだつのあがらない、というか間抜けなふたりの徹底した間抜けぶりがおかしいコメディ。しかも、ウィリーは自分が成功しなかったということに引け目を感じていて、別れた奥さんに未練タラタラなのに、アントニオときたら、自分が”負け犬”だなんてちっとも思っていないし、他人の目などは気にしていない。その”我が道を行く”アントニオを演じるのは”笑う男”のアルバネーゼ。そんな裕福ではないが間抜けな彼らと、ウィリーの元妻や、富豪マリタンの裕福だが窮屈そうな生活の対比もおもしろい。前半のウィリーのモノローグもおもしろいが、後半の「聖人の舌」を巡る駆け引きもテンポよく、楽しい作品。  (きみち)
     
  • すっごい楽しくて好きです。「乳母」の時は渋い精神科医役だったファブリツィオ・ベンティヴォリオの情けない元アラン・ドロンぶりも、「笑う男」の時より確実に太って髪が薄くなっているアントニオ・アルバネーゼのコンビが絶妙でした。(niraさん
     
  • そう言えば、この映画では問題となる聖遺物は聖アントニオの舌でしたよね?先日、偶然読んだ本(「イタリア美術鑑賞紀行」 (宮下孝晴 著 美術出版社))によれば、パドヴァのサン・アントニオ教会には聖アントニオの遺体があるのだそうです。となると、遺体はお墓に安置してあって、舌だけを聖遺物入れに収めて、信者の目につくところにおいてあるのだろうか・・・・・。聖遺物崇拝って、理解できないわけでもないけれど、冷静に考えるとグロテスクかも。死後に体の一部をさらされるようなことになって、はたして彼らは浮かばれるんだろうか?なんて、考えてしまうのは仏教的な発想なのかしら?? (きみち)
     
  • 「イタリア奇蹟と神秘の旅(角川書店)」によると、指輪などの聖遺物と一緒に、舌もあるそうです。遺体全体が、腐敗していない聖人は沢山いるそうなんですが、舌だけというのは、聖アントニオだけなんだそうです。神のことを沢山良く述べた証拠らしいです。なので、遺体から口や喉に関する物(舌、歯、声帯)を取り出して、陳列してあるらしいです。(ぱーるさん)

ロケ地 / パドヴァ


製作 / 2000 イタリア
監督 / カルロ・マッツァクラーティ

キャスト / アントニオ …アントニオ・アルバネーゼ
ウィリー … ファブリツィオ・ベンティヴォリオ

Official site (イタリア語)

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死ぬほどターノ / Tano da morire

<ストーリー>

90年代、パレルモ。パレルモで肉屋を営むターノが殺され、マフィアのメンバーであった彼の影響下にあった人々の生活に変化が生じる。彼が睨みをきかせているので結婚できなかった妹の縁談がまとまったり、彼に経済的援助を受けていた人が途方に暮れたり。でも、彼の死の真相を知るであろう人たちは報復を恐れて真実を語ろうとしない。マフィアが題材とはいえ、ミュージカル仕立てで、サイケな色遣いと、なぜか明るい感じ。実話を元にしており、出演者が実際のパレルモの市場で働く人々であるという面白さも。


  • 良くも悪くもB級なのだが、なんとも”楽しい”マフィア映画。マフィアについてまことしやかに言われていることが、皮肉っぽく取り上げられ、マフィアをおちょくったような感じ。同じマフィアを題材にし、実話を元にしたという共通点はあるが、「ペッピーノの百歩」とはまったく趣きの異なる作品。 (きみち)
     
  • 死ぬほど楽しい! 最初、そういえば出ているのは全員ズブの素人なんだっけ?きっついかもと思いながら、見始めたものの、物語(?)が進むにつれめちゃ楽しくて、はまりました。一緒に歌いたいくらい。サントラがあったら欲しいです。(niraさん
     
  • この映画はとても濃いい作品ですので、面白いと思うか、引いてしまうか評価が割れそうですね。出演者のボリューム感と、とても主役張るようなメンツじゃ無いし、ミュージカルといっても絢爛豪華じゃないし、サイケも半端だしなんとも、70年代B級、狙ってますね。

    ベタベタの“シチリア弁”をしゃべっていたのでしょうか。イタリア語字幕がかなり入りましたね。台詞回しももしや、素人ふうだったりするのかな、などと、想像するのも楽しいものです。

    サントラですが、がんばって探して入手しました。
    Universal Music SGR D 77810
    最後のラップって "O Rap'e Tano" って言ってたんですね。(
    H-Snowさん
     

  • 『死ぬほどターノ』の原題『Tano da morire』は、『T'amo da morire』(死ぬほど君を愛してる)というフレーズをもじっているのだろうなぁ(これも勝手な推測)。映像がかなりキッチュな感じで私は嫌いではありません。ちょっとドギツイと感じるひともいると想像するけれど。(Gsさん)

ロケ地 / パレルモ


製作 / 1997 イタリア
監督 / ロベルタ・トッレ

キャスト / ターノ … チッチョ・グアリーノ
フランカ(ターノの妹) … ミンマ・デ・ロザリア

*2000 「花嫁はマフィアの妹」のタイトルでシネフィル・イマジカにて放映

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戦争のリハーサル / Teatro di guerra

<ストーリー>

 


ロケ地 / ナポリ


製作 / 2001 イタリア
監督 / マリオ・マルトーネ (「ナポリの数学者の死」)

キャスト /  …  

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ラジオフレッチャ / Radiofreccia

<ストーリー>

 


ロケ地 / コレッジョ、リオ・サリチェート (エミリア・ロマーニャ)


製作 / 1998 イタリア
監督 / ルチアーノ・リガブエ (ロック歌手リガブエの監督デビュー作)

キャスト /  …

Official site (イタリア語)

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乳母 / La balia

<ストーリー>

 


ロケ地 / ローマ、フラスカーティ


製作 / 1999 イタリア
監督 / マルコ・ベロッキオ (「ポケットの中の握り拳」)

キャスト /  …  

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アクロバットの女たち / Le acrobate

<ストーリー>

 


ロケ地 / トレヴィーゾ、ターラント、モン・ブラン


製作 / 1997 イタリア・スイス
監督 / シルヴィオ・ソルディーニ (「
ベニスで恋して」)

キャスト /  …  

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