映画祭情報
> イタリア映画祭 2002
|
|
イタリア映画祭 2002 (5/2 〜5/7/2002) 会場:有楽町朝日ホール
テーマ: イタリア旅行 Viaggio in Italia
上映作品
もうひとつの世界 / Fuori dal mondo (2002年「この世に生きて」のタイトルでシネフィル・イマジカにて放映) 愛の言葉を信じて / La parola amore esiste ダヴィデの夏 / L'estate di Davide 真夏の夜のダンス / La via degli angeli 薔薇色のトラ / Rosatigre ラ・カルボナーラ / La carbonara そんなのヘン! / Non e' giusto サンタ・マラドーナ / Santa Maradona パゾリーニ、夢の論理 / Pier Paolo Pasolini e la ragione di un songo 私のイタリア旅行 / Il mio viaggio in Italia
上映作品
各作品のストーリー部分は、未見の作品については、BBSの投稿、公式パンフ、TAMTAM等を参考にしています。
Attenzione!
以下の作品解説にはいわゆるネタバレが含まれている場合があります。
もうひとつの世界 / Fuori dal mondo <ストーリー>
公園に捨てられた赤ちゃんを巡る、母親、修道女、「心当たり」のある男の3人と周囲の人の孤独と、心の拠りどころを求める物語。(H-Snowさん)
それぞれというか、主に2人を描いていますが、境遇も考え方も違うようでいつつも、本質の部分、ひとりになる、なりたいところがあっても、心のどこかで支えあうものを求め合う気持ちが2人を寄り添えあわせていくプロセスがとてもよく描かれています。生まれながらにして、心を寄せるべき母親が居なくなってしまうかもしれない赤ちゃんが重要な鍵となり、一層と深まるところがよい所です。
誰がよいとか悪いとか、こういう考え方が良いとか悪いとか一刀両断的な描き方をせず、あるように描いていく。
心の機微を描く、ほんとうに「機微」。1or0で割り切るようなデジタルな感覚でなく、心の中とそして表向きの微妙さが絶妙です。しかし、はっきりとしなくても、観ている我々の心にすうっと入り込んでくる、はすごく分りやすい、感情表現です。監督の演出力と役者の演技力の賜物なのでしょう。
久々に余韻に浸れる良い映画でした。
感動しますよ〜すごく(^^) (H-Snowさん)
素晴らしい作品でしたね。心震えました。マルゲリータ・ブイ、大ファンになりました。 (角田さん)
登場人物が似ていて(とくに修道院の若い子とクリーニング屋の子)、途中まで、こんがらがっていたのですが、良かったです。でも、ちょっと全体的に暗かった。
私が好きなのは、赤ちゃんから見た目線。まだ目が見えないけど、だんだん見えてくる(あれ?最後まで見えてなかったかも)でも、ほんと大盛況でびっくり。前評判とかは、みんなどこで判断するんでしょう? (niraさん)
「もうひとつの世界」観て、そういえば去年も気になってたんだけど(「ぼくらの時代」観て)シルヴィオ・オルランドさんは素敵ですねー ファンになってしまったです。 (さわのつるさん)
ロケ地 / ミラノ
製作 / 1998 イタリア
監督 / ジュゼッペ・ピッチョーニ
キャスト / エルネスト … シルヴィオ・オルランド
カテリーナ … マルゲリータ・ブイ
テレーザ … カロリーナ・フレスキ
愛の言葉を信じて / La parola amore esiste <ストーリー>
。
カットとかポスターを観てる限りは、大人の女性の虚無感を扱ってるのかしらーと思ったら、学生さんだった。でも30歳だった。(イタリアには多い?)でもって神経症。これはいいとして、お金持ち、働かなくていい、この辺りでどこにも感情移入できなくて(基本的に映画は観ながら共鳴したい〜)うーん、メルヘンな感じでした。 (niraさん)
《愛の言葉を信じて》を最後に見ました。アンジェロの引用した日本の詩…あれは和歌なんでしようね。原典が知りたいものです。夏目漱石の『門』を思い浮かべていました。わが文豪は、あの本の中で「彼は精神を病んでいるから」というような言い方を全然していなかったはずです。果たして大正と平成、どっちが人間の見方が深いか?
しかし何と奇妙で繊細な「お伽噺」だったんでしょうか。アンジェロが病気との戦いに疲れ、眠っている間に「愛」が育っていたなんて…。「彼女は冷淡な態度だ…脆そうな人だ…だけど愛らしいんだ」なんて電話で友達に話しているなんて、イタリア人にはかないません。 (角田さん)
ロケ地 / ローマ
製作 / 1998 イタリア・フランス
監督 / ミンモ・カロプレスティ
キャスト / マルコ … ファブリツィオ・ベンティヴォリオ
アンジェラ … ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
レーヴィ … ジェラール・ドパルデュー
精神科医 … ミンモ・カロプレスティ
ダヴィデの夏 / L'estate di Davide <ストーリー>
トリノで兄夫婦と暮らすダヴィデが、郊外の叔父の家で過ごす夏の体験を描くストーリー。叔父との触れ合い、怪我、恋愛、麻薬、友人の死と、様々なことを体験したダヴィデは平凡な日常へと戻っていく。
- 元はテレビドラマだとは…煎じ詰めれば保守的な穏やかなモラルを説いたもの…しかし人物造型がただ事でないので、真に迫ります。
サスペンス映画《太陽がいっぱい》を彷彿とさせる設定(?)…しかし、現在は、有産階級の姿は消え去って、職のない若者たち、移民、社会の退廃が圧倒的に目立ちます。貧者の喰い合い。あの「サスペンスの女王」だって、ボスニア出身のあの生意気な青年の運命には、きっと驚きを感じるでしょう。悪役めいた年上の女…でも彼女はスイカ畑に、ダヴィデを連れて行ってくれた。ダヴィデ、彼女の「郷愁」にも目をそそぐべきだよ。…そうかだからあんなに暴れたんだね。
赤ん坊の甥を大事にするダヴィデ…田舎の厳しい伯父さんとダヴィデ。…ああ、そうなのか。これは三世代の連鎖を描いているのか。社会に傷つけられても、気を取り直して、生き続けている人びと。君もイチゴのお酒をケチるようになるんだろうか…。
イタリアの映画人には「世界の見方」に骨格がちゃんと備わっています。ちょっとした設定にも、深い洞察がありますよね。世界中で一番信頼をよせ、敬意を表されるのにふさわしい人たち。そう思います。 (角田さん)
- ダヴィデの行動に後味の悪さが残ります。叔父に誤解されても弁解しない、好きな女性が麻薬を常用していても目をそむけ、友人の死を目の当たりにして逃げ出してしまう。摩擦を起こすことを避けるように彼はなんでも、放り出していってしまう。ダヴィデのその行動が、ガス欠で失速していくバイクに重なって見えます。
それが、現代の若者を象徴しているということなのかもしれませんが・・・・。TVで人気が出て映画化された作品とは思えない展開でした。
しかし、プーリア=麻薬、アルバニア人の密入国という結びつきが出てきたのは「血の記憶」と同じ。こういうイメージ(現実?)なんでしょうかね、プーリアは。
また時代設定は特に書かれていませんでしたが、現代なんでしょうか?パトリツィアが麻薬を打ちながら「White room」なんて古い歌を聴いていたので、気になりました。 (きみち)
- 私は肝心のパトリツィアが、麻薬打ってるシーンがよく解らなかったので、何故ダビデくんが露骨に避け始めたのか、あとウナギ工場でヘロインが見つかったのも、トートツだわ〜と思っていたのでした。
私もボスニアの彼があんなことになったのに、ターーーーーッて走り去ったダビデには唖然。あんまり。でも、そんなところが今の若者(というか今も昔も若者の一部にいそうな性格者って気も)なのだと言われれば、そうなんだろうけど、でも、やっぱ映画にはちょっとでも成長っていうかなんか変化して欲しい私。成長しそうでしなかったダビデくんの夏。
ものすごい虚無感が漂ってました。
プーリアは(映画ではプッリャって字幕だった〜)、犯罪の温床って感じに描かれてますね〜。でも、実際ちょっと、ごたごたしてる大陸と対岸してるから、事実なのかも (niraさん)
ロケ地 / トリノ、ピエモンテ州、プーリア州 (IMDbには、パドヴァ他ヴェネト州やバーリがロケ地と記載されているが、他ソースでの確認とれず)
製作 / 1998 イタリア
監督 / カルロ・マッツァクラーティ
キャスト / ダヴィデ…ステファーノ・カンピ
パトリツィア…パツリツィア・ピッチニーニ
アレム(ダヴィデの友人) … セムスディン・ムイック
ダヴィデの叔父 … トニ・ベルトレッリ
真夏の夜のダンス / La via degli angeli <ストーリー>
1930年代のボローニャを舞台にした物語。夏に郊外で行われるダンス・パーティーが核となっていくつかのストーリーが絡み合う。
アンジェロに片思いするタイピストのイネス。弟を死なせてしまったという過去を持つ医師。その医師に命をすくわれたロリスの兄と呼ばれる男はダンス・パーティーの参加者を募るために山を越えて歩く。イネスは未亡人の義妹が書く小説をタイプすることになり、またイネスの恋を知った未亡人は彼女とアンジェロの仲を取り持とうとする・・・・。
- それぞれのストーリーが、ダンス・パーティーに向けて収束していくのだけれど、結末はお互いは交わることがなく、それぞれがそれぞれに終わりを迎える。ちょっとずつ重なっているけれど、ひとつの輪に繋がることのないダンスのよう。
それが私には物足りなかったです。イネスの恋も、ロリスの兄の人生も、後半部分が舌足らずに感じました。監督の母親の体験を元にした話だということですが、もうちょっと書き込んでもよかったのではないかな。
でもヴァレンティーナ・チェルヴィは相変わらず可愛かったです(^^) (きみち)
- 映像がほんと綺麗だった。もうそこからしておとぎ話。
だから、多く残った謎もおとぎ話としていいのかな〜と思っていたら、監督の母の話が元と知って、むむ〜。
医者がなぜ、ロリスの兄に腹に一物もってるのかとか、あれ!?あの死んだ少年はイネスの兄!?私は医者の兄かと。
一番の謎はイネスはなんでアンジェロがいいんだ!!ってことだけど、ま、その辺はいいとして。山の男達もとてもグー。衣装とかもとっても良かった。 (niraさん)
- > あれ!?あの死んだ少年はイネスの兄!?私は医者の兄かと。
ナレーションがイネスの声だったので、てっきり彼女の兄弟の話をしているものと聞き(読み)流していました。後のほうで、子どもを診察していたので小児科医なのね、とも思ってしまったし。
でも考えてみれば、地理的に符合しないですよね、イネスの兄弟では。医者の兄弟でしょう、きっと。ちゃんと聞いていれば代名詞でわかるのに>きみち
> 一番の謎はイネスはなんでアンジェロがいいんだ!!
それは最大の謎。アンジェリ通りのイネスちゃん。
ということは、アンジェロが監督の父親なんですね! (きみち)
ロケ地 / ボローニャ、エミリア・ロマーニャ州
製作 / 1999 イタリア
監督 / プーピ・アヴァーティ
キャスト / イネス … ヴァレンティーナ・チェルヴィ
アンジェロ … リーベロ・ディ・リレンツォ
薔薇色のトラ / Rosatigre <ストーリー>
。
- これ、スゴイ若手のデビュー作か何かと印象だったので意外でした。女装趣味のゲイのお話で、ビデオを使ったアート映像、脚本の作り方など、若手監督の好きそうな感じだったので。もちろん、昨年のイタリア映画祭にはなく、また客層的にもミスマッチな感がありましたが、どのような印象を持たれたか、興味あるところです。
私はこのテの映画も鍛えられたりしてたので、そんなに尖った映画でもないのかなという感じでした。
実際、上映後の監督のお話を聞いていても表現の手法のひとつとして世界のようです。この監督さんも、ストーリーとか型にはまった表現にはまりたくないという考えのようで、(この作品はどちらかというとストーリーテリングのようです)
他の作品はもっと既成の枠を外し、自分なりの触感で作品に触れるという楽しみ方ができるのではないかと思います。
(H-Snowさん)
- 監督の舞台挨拶があったんですが、これも人の入りがいまいち。ちょっとアングラっぽい映像と内容なので、仕方ないかも。脚本も共著してる主役のフィリッポくんも来日すれば良かったのに。彼はすごく良かったです。眼力がある〜。ちょっと香取慎吾に似ている。
あ、でも一番良かったのは、監督の舞台挨拶。シャイとか言いながら、長い長い。
日本にも興味あるみたいで、今度は日本を撮りたいと言っていたので、是非!って感じ。
でも、じーさんなのです。 (niraさん)
- いわゆる劇映画とは異質の映像作品で、ちらほら席を途中で立つ人もいました(フィルムセンターでの《トルコ人たちのマドンナ》も同じ様な情況でした…)。まあ、そんなことは先刻承知、精神が独立した作家にとっての栄光みたいなもんでしょう。バラ色の、絶対に飼い慣らせない野獣…アントネッロ。今はまだ、彼の存在をジーッと反芻しているのみです。
…なんといっても音楽に対する感覚が鋭かったですね。歌劇のアリアと、ポルトガルのファド。そしてナポリの下町の裏通りの喧騒、バイクをもてないガキどものスクーターのやかましい音。年越しの花火があんなに盛大だったとは…シドニー五輪真っ青の光の洪水。そして…暴力嗜好的な場面がいっさい無かったのが素晴らしい。あの監督は、本当に「愛」を持っている人じゃないでしょうか。来年も新作を持ってきてくれるでしょうか。 (角田さん)
ロケ地 / トリノ、ナポリ
製作 / 2000 イタリア
監督 / トニーノ・デ・ベルナルディ
キャスト / アントネッロ(「薔薇色のトラ」) … フィリッポ・ディーミ
ワンダ … ジュリエッタ・デ・ベルナルディ
ササ … サンティーノ・エスポージト
ラ・カルボナーラ / La carbonara <ストーリー>
。
- 面白かったです。(かなりバカバカしいのりもあって)山猫とかその辺の時代の映画を何本か観ていたせいか、時代背景もなんとなく解ったし。 (niraさん)
ロケ地 / ローマ
製作 / 2000 イタリア
監督 / ルイジ・マーニ
キャスト / チェチーリア … ルクレツィア・ランテ・デッラ・ローヴェレ
枢機卿 … ニーノ・マンフレディOfficial site (イタリア語)
そんなのヘン! / Non e' giusto <ストーリー>
ナポリとプローチダ島を舞台にした子どもの目から大人を見たストーリー。ナポリの海岸で出会ったヴァレリオとソフィア。互いに淡い感情を抱きつつ過ごす夏休み。ちょっと情けない父親たちと、声高な母親/女たち。父であり、母であり、子であるのに、”家族”とはいえない現状。「そう簡単にはいかない」という大人の判断に「そんなのヘン」と思う子ども。・・・・・親は隠しているようでも子どもはしっかり知っていたりするんだよなあ。
- 子どもと大人のやりとりは、「こどもの方がよっぽど現実を認識している」という感じでリアル。でも、ヴァレリオとソフィアの子どもっぽい行動も微笑ましくて楽しい(^^)
小さな冒険を経て、意気投合したふたりの最後の行動が爽快でした。
ストーリーの中心となる二人の子どもは、どちらも離婚した家族だったりして問題を抱えているんだけれども、この作品を見る限りではイタリアではそれがさして珍しいことではなくなっているようでしたね。
※ アントニエッタ・デ・リッロ監督を間近で見ましたが、小柄でかわいい方でした。2人の子持ちにゃ見えません(^^) (きみち)
- 私の一番は、これです。ほんと良かった。
ナポリつーのもいいんですが、やっぱ二人の子供とその親たち、家族の風景とか(なにげに、これまで家族の愛の象徴でもあったマンマ(子供たちから見たらノンナ)の描かれ方が、現代だな〜と思えたり)ラストも、今回の中では一番好き。
でも、二人が大きくなったら、どんな大人になるんだろう?とか思ったりダビデではないな。。とかいっぱい映画観すぎですね。
ロケ地 / ナポリ、プローチダ
製作 / 2001 イタリア
監督 / アントニエッタ・デ・リッロ
キャスト / ヴァレリオ … ダニエル・プロドーモ
ソフィア … マッダレーナ・ポリスティーナ
サンタ・マラドーナ / Santa Maradona <ストーリー>
テンポのよい展開で、トリノに暮らす大人になりきれていない20代後半の男女を描いた作品。恋愛にも就職にも、最良の答えが頭ではわかっていながら感情が納得せずあと一歩を踏み出せないアンドレア。彼を取り巻く状況が、時間を前後させつつリズム良く描かれていて、楽しい。
ポンティは、マーノ・ネグラの曲「サンタ・マラドーナ」からインスピレーションを受けてこの映画を撮ったという。もちろんマラドーナは、”ナポリの聖人”と称されるディエゴ・マラドーナのことなのだが、本作品の舞台はトリノ、観戦する試合はユーベ対インテル、と内容的にはナポリとはまったく関わらない作品である。
- 今回のイタリア映画祭で私の一番はこの作品。重厚な作品ではないけれど、文句なく楽しかったです。
コテコテのギャグの連発にB級を感じてしまうのだけれど、私は結構好きですねー、こういうの。「氷の微笑」とか「エーコ」とか「ヴィレッジ・ピープル」とか「デジモン」とか、笑ってしまいましたわ。んーー、同世代ですわねポンティ監督。(でも”8.6秒後”はちょっと・・・・苦笑)
アンドレアのルームメイトのバートが、またいい味(ちょっと、ケネス・ブラナーっぽいと思いません? 「真夏の夜のダンス」のアンジェロと同じ俳優とは気がつきませんでした^^;)。そして、目覚めることのない友人の名前がピエル・パオロ。別に意味はないですよねぇ?
年齢は大人なのに大人になりきれない若者。「ダヴィデ」との共通点がありますよね。スタンスのせいもあるけれど、私は展開や構成の違いが印象の違いにつながったように思います。
4日に見たのですが、会場にはダリオ・ポニッスィ氏が見に来ていましたよ。招待されていたようです。 (きみち)
- パロラッチャのオンパレードで、面白楽しかったです。
ほんと友人役の人は真夏の夜のダンスのアンジェロと同じ人とは驚き!!
私は眠ってる友人は、死んでるのかと思ってました。はははは。
ある意味、ダビデの夏と同じテーマ(というか社会問題?)があるのに、全然明るい未来もありそうな感じ。コメディだから? (niraさん)
- この作品、ベースは「パルプ・フィクション」「トレスポ」というところでしょうか。
やたらあちこちに他の映画を持ち出していて、まあ、単にその映画をなぞるのでなく、それぞれに咀嚼しているからそれなりに面白いし、映画ファンのファン心理をくすぐるところですが、ただし、最後くらいは自分のオリジナルな表現で締めてほしかったです。 (H-Snowさん)
ロケ地 / トリノ
製作 / 2001 イタリア
監督 / マルコ・ポンティ
キャスト / アンドレア…ステファノ・アッコルシ
ドロレス … アニタ・カプリオーリ
ルチア … マンダーラ・タイデ
バート … リーベロ・ディ・リレンツォ
パゾリーニ、夢の論理 / Pier Paolo Pasolini e la ragione di un songo <ストーリー>
パゾリーニ作品や、パゾリーニと関わった人々のインタビューなどから構成されたドキュメンタリー。映画作品以外のパゾリーニ本人の映像の中には、パゾリーニ率いる「ソドムの市」チームとベルトルッチの「1900年」チームとのサッカー試合も含まれている。
- 映画そのものは、ちょっと「玄人向け」というか、パゾリーニの作家、映画人、詩人、時事評論家、サッカー選手(笑)という活動の広さを反映しちゃったかのように、やや散漫な印象をわたしは持ちました。
とはいえ未見の短編作品が随所に挿入されておりまして、ファンとしては大変に楽しめた作品でもありました。パゾ作品のパロディ的な扱い方にもニヤニヤしちゃいます。ご覧になったみなさんはいかがでしょう?? (ギロさん)
- ちょっと・・・うとうとと。いえ、寝不足のせいということにしておきましょう。ストーリーのある作品ではないので、確かに散漫な感は否めないですね。インタビューなどおそらくは貴重なフィルムが多用されているのだとは思ったのですが、映画として見た時、メリハリがないというか・・・。
> とはいえ未見の短編作品が随所に挿入されておりまして、
> ファンとしては大変に楽しめた作品でもありました。
公開されている作品からの引用もありましたよね。私は数本しか見てないので、それとわかった部分は限られますが、ファンには楽しめるものなのだろうと思います。逆に、パゾリーニ作品を知らないと楽しさ半減、いえ7割減ぐらいかな?
パゾリーニ作品を知ってから見るとよいという意味で確かに「玄人向け」。でも、機敏な動きでサッカーするパゾリーニを見るだけでも価値ある一品と言えるでしょう(??) (きみち)
ロケ地 / ローマ他
製作 / 2001 イタリア
監督 / ラウラ・ベッティ
出演 / フランチェスカ・アルキブジ
ベルナルド・ベルトルッチ
アンドレア・デ・シーカ
ミンモ・カロプレスティ
フランコ・チッティ
ニネット・ダヴォリ 他
私のイタリア旅行 / Il mio viaggio in Italia (ソフトのタイトルは「私のイタリア映画旅行」) <ストーリー>
スコセッシが影響や感銘を受けたイタリア映画を時系列順に並べながら紹介するというスタイルのドキュメンタリー。一般に言うイタリア映画史というよりは”スコセッシの”イタリア映画史的なつくりなのだが、イタリア映画の流れを知るのにちょうどよい。
また、何本ものイタリア映画に言及しているが、それぞれの作品の引用部分が割と長く、その作品も見ていない方でも十分楽しめるような構成になっている。《本作品で引用された映画》
「カビリア」「殿方は嘘つき」「1860」「どん底」「ナポリのそよ風」「鉄の王冠」「白い船」「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「勝利の日々」「無防備都市」「戦火のかなた」「靴みがき」「ドイツ零年」「自転車泥棒」「奇跡」「揺れる大地」「ファビオラ」「ストロンボリ 神の大地」「神の道化師、フランチェスコ」「ヨーロッパ1951年」「ウンベルトD」「イタリア旅行」「青春群像」「ナポリの黄金」「夏の嵐」「情事」「甘い生活」「イタリア式離婚狂想曲」「太陽はひとりぼっち」「8 1/2」
- 「古いイタリア映画をいろいろ見たいのだけれど、何から観ようか」などと思っている方にお勧め。
しかし、饒舌ですねースコセッシは。引用している作品を見せる部分以外はしゃべりっぱなし。しかも、早口 ^^; 彼の英語はたいへん聞きやすいのですが、その早口で映画人の名前や、重要な作品名を列挙するくだりは字幕が追いつかず、(おそらく)やむを得ず、一部はしょった字幕になっている部分もありました。字幕翻訳者泣かせですわ。(8 1/2の話をしているときに字幕が「7本と・・」となっていたのは????ですが)
各作品に添えられた説明から、スコセッシのイタリア映画への愛情が伝わってくる映画。(個人的には「ナポリの黄金」のところが気に入りました)
4時間はやはり長い。でも楽しめる作品でした。
最後の最後に続編を期待させる発言あり。がんばれ、スコセッシ!(^^)
(きみち)
- 私のイタリア旅行…長かったですけども楽しかったですよね
ほんと、きみちサンのいわれる通りスコセッシは、饒舌だし、イキイキとしてるんですねー
「イタリアは、紀元前のロ−マものとかが歴史だけど、アメリカは“OK牧場の決闘”が歴史映画だと思ってる国だから」ってのは、笑っちゃった。
スコッセッシは、とーってもデシーカ好きって感じがしますが… (さわのつるさん)
- 私も気になったナポリの黄金。
でもって彼はロッセリーニの娘婿だったんですね〜。(知らなかった!!)
それであんなに比重が強かったのかとも思えました。
第二部がイタリア旅行っぽそうですね。どうせなら第二部も観たかった。(ってまだ存在しないのか!?) (niraさん)
- そうそう、デ・シーカとロッセリーニ。引用たっぷりでしたね。私は特にロッセリーニ好きを強く感じました。「戦火のかなた」と「無防備都市」を繰り返し引用していたし、一部同じシーンを別のところで再び見せていたりしたので。
・・・・でも「イタリア旅行」についてのところでゴダールの発言の字幕が「男と女とカメラが・・・・」。ここでも訳抜けしておりました。こういう素人が気づくところが抜けているとなると意図的にそうしたのかもと思いますが・・・・・よしましょう(^^) (きみち)
ロケ地 /
本文中の画像は掲載の許可を受けております。転載はご遠慮ください。
Copyright (c) 2002-2004 Kimichi All Rights Reserved unless specified