ロミオとジュリエット
14世紀のヴェローナが舞台。ジュリエットの胸のすぐ下で切り替えたデザインのドレスを始め、女性たちは貴族の奥方から召し使いまで裾を引き摺るドレスに身を包み登場します。また、ロミオやその仲間など男性たちが着用する足にぴったりとしたタイツ。そのデザインは左右の色が違っていたり、カラフルな模様・色遣いであったり。それは、男性の足を魅力的に見せるためであり、男色の流行が生み出したものでもあります。
衣装デザイン:ダニーロ・ドナーティ
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娼婦ベロニカ
1583年のヴェネツィアが舞台。高級娼婦であったベロニカの半生を描いた作品。コルセットで締め付けられたベロニカのお相手は、みな地位も権力もある身分の高い男たちばかり。当然、ベロニカもそれ相応の衣装を身につけます。たおやかなだけではないベロニカ、剣を抜いた時の凛々しい姿にも注目したいところです。また、周囲のコーティザンたちの誘うような衣装やアクセサリーにも目を奪われます。同時代を扱った作品「エリザベス」「王妃マルゴ」と合わせて観てみるのも楽しいかもしれません。
衣装デザイン:ガブリエラ・ペスクッチ
- レ・ミゼラブル
- スカーレット・レター
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薔薇の名前
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
- ヴァレンヌの夜
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太陽は夜も輝く
18世紀のナポリが舞台。この作品を”コスチューム・プレイ”と片づけてしまうことには異論があるかもしれません。前半は、ナポリの宮廷のシーンを初めとする豪華な衣装に彩られたひとびとが多数登場します。
ナポリ王にその実力を認められ、副官に取りたてられたセルジョの軍服、セルジョとの縁談が持ち上がった公爵令嬢クリスティーナの美しさを際立たせるようなブルーのドレス。セルジョが世俗的なものと決別した後半とのギャップも手伝って、虚飾の印象が強まります。
衣装デザイン:リーナ・ネッリ・タヴィアーニ
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夏の嵐
1866年のオーストリア占領下のヴェネツィアが舞台。伯爵夫人リヴィアの纏うドレスに始まり、オペラ鑑賞にフェニーチェ劇場に集う観客たちの衣装、オーストリアの将校たちの翻す真っ白な長いマント、そして軍服。占領下とはいうものの、貴族階級の優雅さには目を見張るものがあります。ネオ・レアリズモの作品を撮り続けたヴィスコンティの初の時代物であり、以後彼はこのジャンルの第一人者とも言える存在となります。
衣装デザイン:マーセル・エスコフィエ
ピエロ・トージ
- トラヴィアータ
- 善悪の彼岸
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イノセント
- ルートヴィヒ
- 王女メディア
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鳩の翼
1910年のヴェネツィア、ロンドンが舞台。
この時代、男性はスーツ姿で登場するようになりますが、女性の服装はやはり裾を引き摺るような丈のドレスです。しかし、それも随分と軽やかになったもの。プリーツを多用した柔らかな曲線は、そのドレスを着る人の動きさえも柔らかに見せます。実際に当時のデザイナー、フォルチュニーが発表した古代ギリシャ風のドレス「デルフォス(参考:杉野学園衣裳博物館)」がその下敷きになっているのだそうです。また、カーニヴァルに集まる人びとの芝居がかった衣装も、見どころのひとつです。
衣装デザイン:サンディ・パウエル
- 恋に落ちたシェイクスピア
- ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ
- インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
- オルランド
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カラヴァッジオ
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